
Point
■中国の研究により、世界初となる「持ち運び可能なソニック銃」が開発される
■群衆やデモ隊の暴動を安全に鎮圧する目的で開発された
■銃器内の不活性ガスを熱することで、ガス粒子が振動し、低周波を発する(低周波により生理的に極端な不快感を与える)
中国科学アカデミーの研究チームにより、世界初の「ポータブル型ソニック銃」が開発されました。
これは、警察や軍部が、過激なデモ隊や暴動を鎮圧する目的でデザインされており、低周波によるターゲットの安全な制圧が可能になります。
従来の大型ソニック器よりも十分に小型化されたことで、大量生産も視野に入れているとのことです。
武器は「低周波」
研究主任のXie Xiujuan氏によると、ソニック銃は不活性ガスを動力源とした「低周波」が武器となっているといいます。
メカニズムとしては、銃器に取り付けられたチューブ型の導管内にある不活性ガスが熱せられることによって、ガス粒子が振動し始め、低周波の音波を発射します。

低周波による人体への影響を調べた研究は1940年代に遡ります。
音波の強さや被音度にもよりますが、低周波を体に受けることで、めまいや頭痛、吐き気、胃腸の痙攣、無意識の排便、臓器へのダメージ、心臓発作などが引き起こされることが明らかになっています。
プロトタイプの実証テストでは、低周波に当たった被験者は「極端な不快感を覚えた」と報告されました。ただし、ソニック銃の低周波には致死性がないため、比較的安全な暴動鎮圧が可能です。