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「時間を逆行している」といわれるガンマ線バースト、その仕組みに新説が登場 (2/2)

2019.10.02 Wednesday

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時間を逆行している?

これらのガンマ線バーストで確認されているのが、時間反転現象です。鮮やかな光波が一方向に放出された後、逆の順序で再び放射されているスペクトルが確認できます。

下のグラフは2018年の論文で報告されたものですが、バーストからのパルスの立ち上がり時の波形と、減衰する終端の波形を反転して重ねるとピタリと一致していて、時間的に波形が反転していることがわかります。

バーストのパルス。右は実線が発生時、点線が終端のパスルを表し、反転・延長したものを重ねあせている。/Credit:Jon Hakkila(2018)

これはバースト現象が光速を超えるために、時間を逆行して起こった現象の可能性もありますが、この報告では原因は明らかとなっていませんでした。

今回報告された最新の研究では、この原因について説明しています。

それによると、ガンマ線バーストの起こるジェットの中では、光が媒質(ガスまたはプラズマ)を通るとき、真空中の光速度cを下回っていると考えられます。

これは水などの媒質中を光が通過するときと同様の現象です。そして、こうした状態の時、媒質中を移動する粒子は、光を追い抜くことがあります。これはチェレンコフ放射として知られている現象です。

原発などでは、反射材の水槽から青い光が走ったと報告されることがありますが、これがチェレンコフ放射にあたります。

実験炉で観測されたチェレンコフ放射。/Credit:Wikipedia Commons /Argonne National Laboratory

ガンマ線バーストの中ではこれと同じ現象が起こっており、ジェット内のインパクタ波(電子など)が媒質中を進む光を追い抜く瞬間と、追い抜かれる瞬間が発生しているというのです。

この2つの遷移は、相対論的なイメージとして、光曲線を時間通りに移動しているものと、時間に対して逆行している様に見える2つの現象として現れます。

ただ、これはまだ実験的に観察された現象ではありません。あくまで予想としての論文ですが、これならばガンマ線バーストの光曲線に見られる不思議な時間可逆性を説明可能だと言います。

もはや何が起こっているのかよくわからない世界の話ですが、こうした現象の中では、見かけ上でも時間を逆行することがあるようです。

鏡像の並行世界、ミラーワールドを証明する実験! この世界裏設定多すぎ…

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