アフリカで発見された人類最古のDNAを分析した結果、サハラ砂漠によって困難だと思われていた人々の交流が、早くから盛んであったことがわかりました。
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/03/14/science.aar8380
研究者たちはこれまで、北アフリカと西アジアの間には交流はなかったものと考えていました。なぜならその間には、巨大なサハラ砂漠が隔たっていたからです。
しかし今回、研究チームは北モロッコのイベロモールシア文化(Iberomaurusian culture)時代の9つの遺体からDNAサンプルを採取。「イベロモールシア」は、20世紀の考古学者たちが、彼らがイベリア半島から来たと考え命名したもの。彼らは約1万年〜2万年前に栄え、細石器類とよばれる道具を初めて使用した北アフリカの人類です。
最新の遺伝子配列技術を用いた結果、研究チームは初めて約1万年前の人類のDNAデータを再現することに成功しました。その結果、イベロモールシア文化圏(現在のモロッコにあたる地域)の人々のDNAの約3分の2が、当時、地中海東沿岸の地域に住んでいた人々のDNAと一致したのです。そして残りの3分の1は、当時、西アフリカに住んでいた人々のDNAと一致しました。このことは、北アフリカと西アフリカの人々が、考えられてきた時期よりも早くに交流していたことを示しています。
研究を率いた考古学者のクラウス氏は「このように、古代の人類の遺伝子を調べる研究によって、私たちは人類の歴史への理解を深めることができます」と語っています。
人類の好奇心は、砂漠をも超えるのかもしれません。
via: independent / translated & text by Nazology staff
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