- 新たな研究で、「宇宙は果てのある球体ではなく、果ての存在しないループした球体である」という説が浮上
- ビッグバンの残光である「宇宙マイクロ波背景放射」が曲がっていたことが根拠の一つ
天動説が地動説に変わったり、宇宙は常に存在するもの(定常宇宙論)と思えば、無から生まれたという「ビッグバン仮説」が現れたり…
天文学では「逆こそ真なり」という事態がたびたび起こります。
そして今回も、宇宙の定説に関するコペルニクス的転回が起こるかもしれません。
というのも、新たな研究により、「宇宙は単純な三次元の球体なのではなく、端が存在しない四次元上の球体である可能性が高い」と示唆されたのです。
しかも、発表を行なったマンチェスター大学(英)の研究主任エレオノラ・ディ・ヴァレンチーノ氏は「今回収集されたデータは、99.8%の正確性を持っている」と話しています。
研究の詳細は、11月4日付けで「Nature Astronomy」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0906-9?utm_source=commission_junction&utm_medium=affiliate
宇宙に果てはあるのか?
これまでの研究では、「宇宙には果て(端)がある」というのが定説になっています。
その根拠の一つがビッグバンの威力です。シミュレーションで、宇宙の時間をビッグバン発生まで巻き戻してみれば、爆発の極小点に急激な膨張力が見られました。
この超高速の膨張を考慮すると、宇宙には果てがあり、まっすぐ伸びるしかないと天文家は指摘します。
ハッブルの宇宙の膨張速度の予測に関する理論や、重力エネルギーの問題など、様々な宇宙観測データもこの考え方を支持しています。
ところが、2018年に欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星プランクが集めたデータを見ると、「宇宙には果てがない」と結論づけるべき証拠が見つかったのです。