曲がっているビッグバンの残光
人工衛星プランクが観測するのは「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」と呼ばれる光源です。
これは、ビッグバンから約38万年後の「宇宙の晴れ上がり」により誕生したマイクロ波で、宇宙最初の光と言われます。つまり、CMBはビッグバンの名残であり、宇宙の膨張や進化を理解するのに重要なものなのです。
そして研究チームが、収集されたCMAデータを分析すると、従来の予測を大きく超えた強い「重力レンズ効果」が見られました。要するに、光が大きく曲がっていたのです。
例えば、観測地となる「地球A」と観測対象となる「天体B」の間に別の「天体C」がある時、Cの重力のせいでBの光が曲がって、Aの地球に届きます。つまり、真ん中のCがメガネのレンズのような役割を果たすのです。
ヴァレンチーノ氏は「今回のように、ビッグバンの残光であるCMBの湾曲は、宇宙が閉じた球体とすることで説明がつく」と指摘します。
もしこの主張が正しく、宇宙が閉じた球体(3次元閉多様体)ならば、宇宙の端っこを目指して移動したとしても、いつの間にかスタート地点に戻ってしまうことになります。ただ宇宙に果てがあろうとなかろうと、膨張は継続されると言います。
一方で、宇宙が閉じた球体ならば、これまで分かっている多くの宇宙論と矛盾が生じるため、宇宙は開いた球体であると考える専門家が多いのも事実です。
宇宙については、現段階で全体のほんの一部しか解明されておらず、真相は分かりません。
いつか人類が、宇宙の果てまで行けるようになった場合、「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 俺は宇宙の果てに向かって旅をしていたと思ったら、いつの間にか地球に戻っていた」と言うことになるかもしれません。
無限ループって怖くね?
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