臭わない人も存在する不思議
実はこの現象はすべての人にピンとくる話ではありません。
実はかなり多数の人たちが、アスパラガスを食べることで発生する尿の悪臭を感知できないのです。
研究によると、75%の人々は排尿時にこのニオイを嗅いでも嗅覚が検出できないといいます。
超音波のような高音が聴き取れる人と聴き取れない人がいたり、色の知覚が人によって多少異なっている様に、実は嗅覚についても感じ方にばらつきがあるのです。
嗅覚は400以上の遺伝子と関連していることが知られており、これらの組み合わせによって各個人の嗅覚認識が異なっていることがわかっています。
特定の高濃度のニオイ物質に鈍感な嗅盲の人は、健常者でも多く見られ「特異的無嗅覚症」と呼ばれています。
この症状については、脇の下の不快臭の原因と言われる「3-メチル-2-ヘキセン酸」についても、ほとんどニオイを感じない人が15%程度存在しているということがわかっています。
こうした特定の嗅盲が発生する原因は人が主に視覚に依存する進化をしたためと考えられています。そのため他の生物に比べ人間は嗅覚が鈍感になっており、人によってはそれがさらに進んだ状態となるのです。