キメラ実験の目的とは?
キメラ実験の最終目的は、移植用として、ヒトの臓器を動物の体内で育てることにあります。
臓器サイズが、比較的ヒトに近いブタやヒツジの体内で育てることができれば、移植用臓器の不足問題に対処できるでしょう。しかし、この目標を達成するにはまだ多くの難問が残されています。
現在チームは、目標の前段階として、サルの細胞保有率の高い健康なキメラ・ピグレットの開発に尽力しています。これが成功すれば、次は一つの臓器がほぼ完全に霊長類の細胞で出来ているブタの開発に移るようです。

実は2017年にも、カリフォルニアのソーク研究所でブタとヒトのキメラ実験が行われています。この際、ヒト細胞の保有率は、10万個につき1つときわめて低く、また倫理的な問題もあり、キメラ胚は1ヶ月足らずで破棄されました。
倫理的な問題というのは、キメラの脳が部分的にヒトになる可能性があったという点です。その事例を踏まえて、今回はサルが選ばれています。
現在の細胞保有率では目標達成にほど遠いようですが、技術的および倫理的問題をクリアすれば、今後キメラの数も増えていくかもしれません。




























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