「デューン」の仕組みを解明
デューンが水平方向に伸びる仕組みについて、研究チームは次のように説明します。
まず、デューンの発生地点は、画像データ分析により、高度100km付近であることが特定されています。
そして、この高度まで上昇した大気重力波が、温度の低い2つの大気層ー高度80kmの反転層(inversion layer)と高度100kmの中間圏界面(Mesopause)ーの間に挟まれます。
すると、酸素や窒素を含む大気の波は、狭い領域内を横方向、つまり水平方向に伝播します。この領域内に太陽風のプラズマが衝突することで、デューンのようなオーロラが出来上がったというわけです。
動画のように、大気重力波は水平方向に拡散することが知られています。
この拡散する大気重力に高エネルギーの太陽風が命中した結果、水平方向のオーロラができたのではないかと、研究チームは考えています。
明快な説明ですが、その一方でパルムロス教授は「これも仮説にすぎない」と話します。
というのも、高度80km〜100kmというこの領域は、気球レーダーで観測するには高すぎ、宇宙船を送るには低すぎるのです。そのため、知られている情報も少なく、大気重力波がどのような動きをするのかもよく分かりません。
研究チームは、今後、デューンのデータを手がかりに、この謎に満ちた領域について解明していく予定とのことです。