スイング≠マイクロタイミングのずれ
調査結果は、研究者たちの予想を大きく裏切るものとなりました。
参加者は、②ずれなしを①オリジナルよりもわずかにスウィングしていると評価したのです。また、③2倍をもっともスウィングしていないと評価しました。
さらに、④反転の評価は12曲のうち、2つの作品にマイナスの影響を及ぼしただけでした。
参加者たちが「スイングしている」と感じるかどうかは、「マイクロタイミングのずれ」だけに左右されていなかったのです。
研究の終わりに、参加者に曲をスウィングさせる要素について意見を求めたところ、「ミュージシャン間の動的な相互作用、アクセント、リズムとメロディーの相互作用」などのさらなる要因が挙がりました。
研究者たちは、調査結果から「ジャズのスウィングにマイクロタイミングのずれが必須なわけではない」ことを理解しました。リズムが重要な役割を果たしている一方で、本質をとらえるには、他の要因を研究する必要がありそうです。