biology

単細胞へ”逆進化”中!?「呼吸しない」多細胞動物が初めて報告される (2/3)

2020.02.25 Tuesday

前ページ寄生動物の生存戦略「捨てれるものは捨てる」を極めた結果

<

1

2

3

>

呼吸すら宿主任せ

画像
ミトコンドリアの内部は膜のひだひだになっている。ミトコンドリアがあるから多細胞動物は酸素を呼吸に使える/Credit:depositphotos

そんなヘネグヤ・サルミニコラの遺伝情報に対して、今回、改めて大規模な調査が行われました。

結果、ヘネグヤ・サルミニコラにはミトコンドリアの遺伝子が存在しないことが明らかになりました。

ミトコンドリアはかつて独立した酸素呼吸細菌でしたが、真核生物の細胞内に取り込まれてからは共生関係にあります。

私たち多細胞生物が酸素を利用できるのも、ミトコンドリアのお陰です。

しかし、ヘネグヤ・サルミニコラはそんな便利なミトコンドリアを細胞内から排除してしまいました。彼らは呼吸する能力すら失ってしまったのです。

では彼らはどうやって外部からエネルギーを得ているのでしょうか。

どうやらヘネグヤ・サルミニコラは呼吸をしなくても、呼吸の産物であるエネルギー(ATP)を宿主から奪って、自分の細胞内に取り込むことができるようです。

次ページ寄生は楽な生き方ではない

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!