呼吸すら宿主任せ
そんなヘネグヤ・サルミニコラの遺伝情報に対して、今回、改めて大規模な調査が行われました。
結果、ヘネグヤ・サルミニコラにはミトコンドリアの遺伝子が存在しないことが明らかになりました。
ミトコンドリアはかつて独立した酸素呼吸細菌でしたが、真核生物の細胞内に取り込まれてからは共生関係にあります。
私たち多細胞生物が酸素を利用できるのも、ミトコンドリアのお陰です。
しかし、ヘネグヤ・サルミニコラはそんな便利なミトコンドリアを細胞内から排除してしまいました。彼らは呼吸する能力すら失ってしまったのです。
では彼らはどうやって外部からエネルギーを得ているのでしょうか。
どうやらヘネグヤ・サルミニコラは呼吸をしなくても、呼吸の産物であるエネルギー(ATP)を宿主から奪って、自分の細胞内に取り込むことができるようです。