- 1秒は地球の自転と公転によって定義付けられてきた
- 1950年代に、セシウム原子を基準とした誤差の無い「秒」の定義ができた
「1秒」とは、正確にはどれくらいの時間なのでしょうか。
「秒」という単位は世界中で用いられてきてましたが、その基準に関しては、度々疑問視されてきました。
多くの人は、1秒を「1 / 60分」、または「1 / 3600時間」だと言うでしょう。もちろん間違いではないのですが、これは単なる言い換えであって、正確な「秒」という単位の定義にはなりません。
「1秒はなぜ1秒なの?」という疑問の答えを正確に把握するには、「秒」の歴史を知ることから始まります。
自然界にみられる「繰り返し」法則の利用
古代文明は、自然界にみられる「正確な繰り返し」を時間管理のために利用しました。
彼らにとって明確だったものは、朝と夜の繰り返しです。
朝と夜が同じ間隔で繰り返すことを知っていた人たちが、朝と夜を1セットにして「1日」という時間の単位にしました。これは、地球の自転という自然法則から時間の単位を生み出したことになります。
ここから、さらに細かい単位である「時間」や「秒」が生み出されました。
地球と宇宙に関する理解が深まるにつれて、自転と公転の関係性も明らかになり、地球の公転周期に基づく「秒」が定義されていきました。
地球の公転と自転は、「かなり正確」な繰り返しなので、これらに基づく「時間計測」は、人類の歴史を測るうえでは十分でした。
しかし、科学技術の進歩と共に、より正確な「時間単位」が必要になってきました。今日のコンピューターは1秒あたり40億サイクルの速度で作業が実行されるからです。
地球の自転や公転は、「かなり正確」な繰り返しでしたが、徐々に変化します。
例えば、地球の自転はわずかに遅くなっているので、これに基づいて1秒を測定すると、1秒の時間がわずかに長くなります。つまり、今日の1秒と昨日の1秒はまったく同じ時間ではなくなるのです。