リュウグウはどうやって形成されたのか?
地球のような岩石の惑星は、太陽系初期に漂っていたダストが集合して形成されたと考えられています。
リュウグウは、こうしたダストから天体が形成される過程の状態が保存された、いわば天体の化石と呼ぶべき存在です。
研究者たちが推測する、そんなリュウグウの形成シナリオは次の通り。
まずふわふわなダストが集まり、低密度のスカスカな微惑星が形成されます。これがさらに集まってリュウグウの母天体が形成されます。このとき中心部では圧力が高まり、密度の高いコアのようなものが形成されます。
初期の太陽系は非常に多くの小惑星、微惑星がぶつかり合う暴力的な環境だったため、このリュウグウ母天体は別の天体との衝突により破壊されます。
外層は吹き飛び、中央部分も露出した状態になります。この飛び散った岩塊は再度集積して、ラブルパイル天体(破砕集積体)が形成されます。
リュウグウがひし形の理由は、形成初期のリュウグウの自転速度が早かったため、赤道部分が膨らんだと考えられます。その後、自転は何らかの要因で遅くなり現在のリュウグウになったと考えられます。
先程の一部が高密度の性質を示した理由は、その部分がリュウグウ母天体(原始惑星)のコア部分だったためだと考えられるのです。