新型コロナウイルスをサルの腎臓に感染させて増やした
多くのウイルスは、60℃で1時間加熱処理することで不活性化できます。
これは、生物の体を構成するタンパク質のほとんどが60℃付近で変性し、生物学的な機能を失うからです。
そのため、新型コロナウイルスの破棄にも、これまでは60℃で1時間の処理が行われてきました。
しかし、ノロウイルスなど一部のウイルスやボツリヌス菌は、不活性化に100℃近い温度が必要であることが知られています。
そこで研究チームは、慣例によって何気なく定められていたウイルス取り扱い法が、新型コロナウイルスにきちんと効くかどうかを確かめることにしました。
実験にあたって研究チームはまず、新型コロナウイルスをアフリカミドリザルの腎臓細胞に感染・増殖させました。
新型コロナウイルスは犬や猫にも感染することが知られており、同じ霊長類のサルならば容易だと判断したからです。
結果は予想通り、アフリカミドリザルの腎臓で感染・増殖を開始しました。