汚染環境で生き残る新型コロナウイルス
ウイルスが一定数まで増加したのを確認すると、次に研究チームは温度や消毒時間、消毒環境など様々な条件下でウイルスの不活性化を試みました。
結果、衛生的な実験環境では既存の60℃で1時間の消毒で死滅しました。
しかし「使用後の糸ようじ」のような生物学的な汚染が加えられたサンプルでは、60℃で1時間の消毒ではウイルスは生存したままであることが確認されました。
汚染された環境には微生物の塊や植物繊維が存在し、これらの隙間の中では温度が十分に高くならなかったと考えられます。
そのため、ウイルスを完全に死滅させるためには、沸点に近い92℃で、最低でも15分間の消毒が必要だというのです。
これは非常にショッキングなデータです。
というのも、生物学の実験室では、使用済みの要らなくなったウイルスや細胞のサンプルは一つの廃液として、まぜられて(汚染されて)処理されることがあるからです。
研究結果が事実ならば、現在新型コロナウイルスを研究している多くの研究者が、非常に危険な状態に置かれている可能性があります。
またウイルスが付着したマスクを再利用する場合にも、中途半端な温度ではなく、繊維の中まで届くような長時間の煮沸消毒が必要となるかもしれません。