杭が射出される仕組み
バクテリオシンは、6本の足がそれぞれ独立して標的を認識しています。
6本ある足のうち3本の足が結合に成功すると、バクテリオシンは結合した相手が自分の獲物だと認識します。標的の認識が終わると、バクテリオシンは外側の鞘をギュッと下方向に向けて収縮させます。鞘を収縮させるためのエネルギーは、鞘の頂上部分に高エネルギー結合として蓄積されているとのこと。
鞘が収縮すると、内部の杭は押し出されるようにして、標的の細胞に大きな穴を開けます。穴をあけられた細菌は細胞膜の電位や、細胞の内外の濃度差を保てず、死んでいきます。
今回の研究では、バクテリオシンの詳細なタンパク質構造が調べられており、上の動画のようにバクテリオシンの動く仕組み(鞘の収縮や杭が回転しながら入っていく様子など)を解き明かしました。