今月14日、NASAの木星探査機ジュノーが、26回目のフライバイを実施し、新たな乱気流の撮影に成功しました。
上の画像は、軌道高度4200キロの地点から撮影された原データを処理したものです。
木星の乱気流は、これまでにも数回ほど撮影されていますが、これほど明瞭なものはめったに撮影できません。
本画像は、乱気流の詳細や発生メカニズムの理解を深めるものとして、多くの期待が寄せられています。
まるでゴッホの絵画のよう
撮影されたのは、北半球に位置する「折りたたまれたフィラメント領域(FFR:Folded Filamentary Regions)」と呼ばれる場所です。
FFRでは、常に激しい乱気流が吹き荒れており、いくつもの渦巻く雲が観察できます。
まるで油彩で描かれたよう美しさで、ゴッホの「星月夜」を思わせます。
一方で、綺麗に円を閉じた乱気流は散発的にしか見られず、多くが隣接する乱気流に吹き込み、互いに繋がっています。
また、今回の画像からは、乱気流が木星表面にのみ広がっているのではなく、雲頂から約3000キロ下まで伸びていることも確認できました。
Jupiter photographed by NASA’s Juno spacecraft last Friday
Source https://t.co/i3l4alM3qt pic.twitter.com/Zchtfdhmi8
— Space Explorer Mike (@MichaelGalanin) April 15, 2020
ジュノーは2016年の木星極軌道への投入以来、幾度となく、人類未踏の景色を私たちに届けてくれました。
しかし、2021年7月30日に行われる35度目のフライバイをもって運用を終了する予定です。その後、ジュノーは木星の大気圏に突入して最期を迎えます。
その日まで、できる限り多くのデータを入手し、木星の研究に貢献してくれるでしょう。