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ビッグバンから10億年の初期宇宙に予想外の「巨大回転銀河」を発見 (2/3)

2020.05.21 Thursday

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ウォルフディスクはどうやってできたのか?

これには冷たい銀河形成モデルを考える必要があります。

ここでいう熱い・冷たいというのは、物質の運動エネルギーを指します。

生まれたばかりの宇宙は、水素によって均一に満たされた状態だったと考えられますが、これは暗黒物質によって引き寄せられ、宇宙の中にムラを生み出していきました。

暗黒物質がなぜあるのかはまだわかっていませんが、冷たく動き回らない物質だった場合、銀河にフィラメント状のネットワークを形成した可能性があります。

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ダークマターで作られた宇宙の大規模構造のシミュレーション。/Credit:矢作日出樹、長島雅裕/武田隆顕/国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト

このとき、もし星の材料となるガスがもともと冷たければ、ネットワークに沿って吸い寄せられていき、それが大きく冷たい、秩序だった回転をする円盤銀河を形成したのかもしれません

こうした冷たい銀河形成モデルは以前からありましたが、検証するには証拠となる天体を観測によって発見しなければなりませんでした。

今回のウォルフディスクの発見は、こうしたモデルを補強するためのものなのです。

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