小惑星が尾を出す原因
考えられる理由は、氷が小惑星の中に隠されていたというパターンです。
この場合、「2019 LD2」は最近他の岩石と衝突して砕け、内部に封じられていた氷が溶けだして尾を出したのかもしれません。
もしくはもっとずっと遠い、氷が解けないような太陽から離れた領域にいた小惑星が流れ着いて、トロヤ群に捕獲されたという可能性もあります。
なんにせよトロヤ群は天文学者にとって、研究が非常に難しい領域です。
この場所でみつかる活動的小惑星は初めてとなるので、この小惑星を調べることで、トロヤ群について、また小惑星の揮発性についてもっと詳しく知ることができるかもしれません。
現在のところ小惑星が尾を出す明確なメカニズムはよく分かっておらず、それゆえ小惑星と彗星の定義も少し曖昧なところがあります。
NASAは来年、トロヤ群を調査する探査機ルーシーを打ち上げる予定です。
この探査機が木星トロヤ群にたどり着くまでにはそこから数年かかると言いますが、そのときにもしかしたら「2019 LD2」を間近で観察する機会が得られるかもしれません。
※この研究については、追加調査により今回の見解とは異なった進捗報告があります。詳細は下記記事を閲覧ください。(2020/6/7)