さらなる試験が必要
今回の臨床試験では、人間に対してもワクチンの効果がはっきりと表れていました。チェン氏によると、「この結果は重要なマイルストーン(里程標)となりました」とのこと。
しかし、今回の試験はサンプルサイズも小さく、期間も短いものです。
また、海外医療サイト「Medical xpress」はこの研究について、次のように懸念しています。
「アデノウイルス5型(一般的な風邪ウイルス)に対する既存の高い免疫をもっているなら、応答反応が低下する恐れがある」
これらの点からしても、今回の試験結果だけでは「すべての人が利用できる」とは断言できないでしょう。
研究チームはさらなる試験を予定しており、そこでは「サンプルサイズの拡大、長期的な有害作用の有無」に焦点が当てられます。
この研究は5月22日、「The Lancet」誌に掲載されました。
Safety, tolerability, and immunogenicity of a recombinant adenovirus type-5 vectored COVID-19 vaccine: a dose-escalation, open-label, non-randomised, first-in-human trial
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31208-3/fulltext