韓国・晋州(チンジュ)市にある「晋州層」で、太古の巨大ワニの足跡が発見されました。
100近い数の足跡が見つかっており、年代は1億1000万〜1億2000万年前と推定されています。
驚くべきは化石がどれも後ろ足で、前足の跡が見られなかったことです。これは太古のワニが二足歩行だったことを示唆します。
ご存知のように現生のワニはすべて四足歩行です。
数百万年におよぶ進化の中で、ワニはほぼ容姿を変えていないと言われていることから、予想外の展開となっています。
足跡は誰のもの?
調査を行った韓国・晋州教育大学校の研究チームも当初、「足跡はワニではなく、プテラサウルスなどの翼竜類のもの」と考えていました。
翼竜類は、羽休めのために地上に降りてくることがよくあったからです。
ところが、いざ足跡を調べて見ると、翼竜類の足跡には残りにくいかかと部分の痕跡がはっきりと見られました。
研究主任のキョン・スー・キム氏は、これについて、「恐竜やその近縁の鳥類は、基本的に爪先立ちで歩くため、かかとは足跡として残りにくい」と説明します。
反対に、ワニはベタ足で歩くので、かかとが跡として残りやすいです。
さらにどれだけ探しても、前足の痕跡は見つかりませんでした。四足動物の中には、前足の跡に後ろ足を重ねるようにして歩く種もいますが、それを踏まえた上での分析でも、前足はありませんでした。
このことから、足跡を残した生物は、間違いなく二足歩行であると結論づけられます。