今月10日、インド西部・マハーラーシュトラ州にある「ロナー湖(Lonar lake)」が、一夜にして緑から赤色に変色する現象が起きました。
ロナー湖は、約5万年前の隕石衝突によるクレーター内にできた湖であり、地元でも人気の観光スポットになっています。
地元の専門家によると、「以前にも色の変化が見られたことはあるが、ここまで劇的な変色は初めて」とのことです。
その原因は、一体何だったのでしょうか。
原因は”藻の繁殖”?
ロナー湖は、同州の都市ムンバイから東に500キロ離れた場所にあります。
深さ137メートル、直径1.2キロメートルで、湖水は塩分を含んでおり、普段は青みがかった緑色をしています。
変色の正確な原因は調査中ですが、地質学者のGajanan Kharat氏は「藻類の急激な増加が原因ではないか」と指摘。ロナー湖の水位は、今年に入って急激に下がっていました。それにより、湖中の塩分濃度が高まったことで、藻類が過剰に繁殖したのでしょう」と説明します。
この説に同調する専門家も多く、現段階では、赤い色素を分泌する「ドナリエラ」という藻類が犯人ではないかと予想されています。
またこの他の意見として、「ここ数ヶ月間のロックダウンにより、大気汚染が緩和されたことも原因の一つ」とする意見もあります。
インドでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国内の工場や企業の多くが閉鎖されていました。これに加え、都市部の交通量も減ったことで大気の汚染レベルが下がり、「インドに青空が戻ってきた」と言われていたのです。
こうした環境の変化も湖に影響を与えたのかもしれません。
同州の森林局は、現在、採取したロナー湖のサンプルを分析しており、数日で結果が出るとのことです。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/55970
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