視覚だけじゃない。他の感覚機能にも影響
また、アファンタジアを自覚する被験者の中には、視覚以外の感覚機能への影響を訴える人もいました。
例えば、聴覚や触覚、嗅覚、味覚に関する記憶のイメージ化も曖昧になっていたのです。しかし、イメージ化の低下が見られる感覚やその度合いは、アファンタジアの中で異なり、一貫してはいません。
しかし、興味深いことに、一般の被験者とアファンタジアに違いが見られなかったのは「空間把握力」でした。これは物同士の間の距離感や位置関係を理解する能力であり、地図やルートの理解、遊びならテトリスなどのゲームに用いられます。
空間把握には、視覚イメージがあまり関係しないのかもしれません。
一方で、これらの結果は、被験者の自己申告に依存しているため、より客観的な調査が必要になります。アファンタジアの謎は、まだまだ深いようです。
研究の詳細は、6月22日付けで「Scientific Reports」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-020-65705-7
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