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こう見えても両生類(カエルやサンショウウオの仲間)である/Credit:カルロス・シャレド
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手足のない両生類が歯に毒を持つと判明! ヘビ毒の元祖である可能性あり

2020.07.07 Tuesday

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  • セシリアンは手足がないヘビのような両生類である
  • 研究者が偶然、セシリアンの口の中に分泌腺を確認した
  • 分泌腺はヘビと同じように歯の組織から生じており毒成分も似ていた

ヘビのように手足をもたない両生類が、ヘビと同じように牙に毒腺を持つ可能性が示されました。

7月3日に「iScience」に掲載された論文によると、セシリアン(和名:アシナシイモリ)と呼ばれる手足のない両生類は、カエルやトカゲといった獲物を狩るために毒腺を使っている可能性があるとのこと。

これまでの研究で両生類にみつかった毒は捕食者から身を守るための「皮膚から分泌される毒」だけです。

セシリアンがヘビ毒の元祖だったのか、それともヘビのような体は毒持ちになりやすいという収斂進化(しゅうれんしんか)の結果なのでしょうか?

大発見は日頃の地道な観察から

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/Credit:iScience

セシリアンはアフリカ、アジア、アメリカ大陸の熱帯気候に生息する両生類で自分で掘ったトンネルの中で生活するためか、ほとんど目が見えていません。

また、セシリアンは敵に襲われた場合、巣穴に頭から逃げ込んで、を含んだ尻尾で栓をすることが知られていました。

しかしセシリアンについてはそれ以上の情報はほとんどなく「最も研究されていない脊椎動物」と言われていました。

ブタンタン研究所のフォンタナ氏は、そんなセシリアンを研究する数少ない研究者の一人であり、セシリアンの分泌する粘液について調べていました。

セシリアンは尾部から分泌する毒液以外に、トンネル内を効率よく移動するために頭部からも粘液を分泌しています。

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/Credit:iScience

しかし、粘液を分泌する分泌腺を調べているうちに、ふと、これまでの両生類には見られない分泌腺がセシリアンの口の中にもあることに気付きました。

口内で牙に隣接した分泌腺は通常、ハ虫類など毒を狩りに使う生き物にみられるものです。

そのためフォンタナ氏は、セシリアンも両生類でありながら、狩りに毒を使っていると考えました。

セシリアンの主なエサはカエルやトカゲであり、毒をしたたらせた牙で噛みつくことで、これらの獲物の捕食が容易になる可能性があったからです。

次ページ分泌腺と分泌物の分析

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