- 金星では火山活動が続いている可能性があると予想されていた
- 新たな研究はマントルプルームから形成されるコロナ地形の特徴をシミュレーションで明らかに
- 現在も進化中のコロナ地形37が特定され、現在も続く地質活動の初めての証拠を提示した
地球では現在も火山噴火などが起こっていますが、こうした地殻の活動はその惑星が生きている証でもあります。
火星すでに地殻の活動が停止していると言われていますが、金星では現在も火山活動が続いている可能性が以前から指摘されていました。
新たな研究は、地形形成のシミュレーションから最近活発な活動をしている37箇所の火山構造を特定したと報告しています。
これは金星が活動を停止した惑星ではないことを裏付けるものです。
金星の火山
金星の表面にはコロナと呼ばれるクレーター状の地形がいくつも形成されています。
これは惑星の深部にある高温の物質が地殻を貫通して吹き出た跡で、地球でハワイ諸島を形成したマントルプルームと類似したものです。このことから、金星には強力な地質活動があったことを示しています。
火星や水星は地球よりも小さいため、惑星形成時に内部に蓄えられたエネルギーが少なかったと予想されます。そのため、現在は完全に惑星内部が冷え切ってしまい、火山活動などが起きることはありません。
一方金星は地球とほぼ同サイズの惑星で、金星の表面にはかなり新しい溶岩流跡が見つかったという報告もあり、現在も地質学的に活発な惑星なんじゃないか? と議論されていました。
しかし、明確に火山活動が観測されたことはなく、現在の金星は地質活動が停止して地殻が深くまで冷えて固まっているという考え方が一般的でした。