四重らせん構造はタンパク質の増産を予約する
これまでに行われた四本らせんDNAの検出は主に、死んで固定された細胞や、高濃度の検出薬で瀕死に陥った細胞でのみ行われてきました。
しかし新たに開発された蛍光検出薬は低濃度でも運用可能であり、生きた健康な細胞内での四重らせんDNAを視覚化し、リアルタイムでの追跡を可能にしました。
その結果、四重らせん構造は、需要の高いタンパク質をコードするDNAを二本鎖からほどいた状態にすることで、タンパク質生産を促進している可能性があると分かったのです。
また調査により、この四重らせん構造は、細胞の分裂期など、必要とされるときだけに形成されることがわかりました。
すなわちガン細胞のような一部の調節能力が失われた細胞では、常に四重らせんである一方で、通常の細胞では活動期以外は二重らせん構造に収まっているようなのです。
研究者は、常に四重らせん構造を抱えることは、細胞にとっては負担が大きいと考えています。