世界最大級の魚類として有名なマンボウ属には、「マンボウ」「カクレマンボウ」「ウシマンボウ」のわずか3種しかいません。
中でも巨体を誇るのがウシマンボウです。
全長3メートル、体重2300キロという個体が見つかっていますが、専門家の話では、もっと大きくなると言われています。
その一方で、ウシマンボウの稚魚は、これまで一度も見つかったことがなく、海洋学者ですら確認できていません。
ところが今回、オーストラリア、ニュージーランドの共同研究チームにより、世界初となるウシマンボウの稚魚がついに発見されました。
大人になると巨大なウシマンボウでも、稚魚は見つからないのも納得の小ささだったようです。
マンボウの卵巣には3億個の卵が入っている?
ウシマンボウ(Mola alexandrini)は、極圏をのぞく世界中の温暖な海に分布し、クラゲやプランクトン、小魚を好物とします。
水深0〜600メートルまで生息しますが、海面すれすれに横たわっての日光浴は欠かせません。
これには、深海へ潜った後に体を温める目的やカモメに寄生虫を取り除いてもらう目的があるそうです。
またマンボウは、あらゆる脊椎動物の中でもトップクラスの卵の数を誇ります。
最大だとメスの体内に約3億個の卵があるとされますが、その全てが無事に産卵されるわけではなく、生まれたとしても多くは大人になるまで生き残れないとのことです。
それでも産卵量の多さに変わりないので、ウシマンボウの稚魚が見つからないことは大きな謎となっています。