DNAからわかる交雑の歴史
今回の発見は、これまでに報告されているネアンデルタール人やデニソワ人と現代人の交配の歴史を遺伝子の流れから確認できたという他に、新たな未知の古代人との交配が存在していたことも示唆しています。
こうした事例は、異なるグループの種であっても時間・空間的に重なって存在した場合、遺伝子交換が行われている可能性が高いことを示しています。
この研究チームの新しいアルゴリズムは、数十万年前に起こった遺伝子の流れの中の僅かな痕跡を特定することを可能にしています。
この方法を用いれば、現代では特定が困難な、オオカミとイヌのような種の交配がいつ起こったかなど、遺伝子の流れを特定する研究に役立てる可能性があります。
もはや土を掘り返すだけではなく、遺伝情報の中へ深く潜っていくことで、太古の人々の歴史を探り出せる時代になったようです。
この研究は、米国のコーネル大学とコールド・スプリング・ハーバー研究所の研究チームより発表され、論文は遺伝子学に関する学術誌『PLOS Genetics』に8月6日付けで掲載されています。
https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1008895
記事タイトルを一部修正して再送しております。