コーヒーは脂肪肝から肝硬変への変化を妨害する
コーヒーが肝がんを減らす第一の理由として考えられるのは、コーヒーに多く含まれている、クロロゲン酸をはじめとする多数の抗酸化物質です。
マウスを用いた実験では、これらの抗酸化物質が肝臓のがん化を抑制する方向に働いていることが示されました。
第二の理由としては、コーヒーの持つ抗肥満作用と糖尿病中和作用があげられます。
コーヒーにはインスリンに対する細胞の感受性を高められることが知られており、コーヒーを多く摂取することで、脂肪肝が解消され、肝臓の再生能力が回復し、肝硬変になりにくくなります。
第三の理由としては、コーヒーには炎症をやわらげる効果があり、肝臓の炎症(損傷)を抑制し、肝硬変を予防することで、結果的に肝がんにかかりにくくなるとするものです。
つまりコーヒーは、上の図において、脂肪肝や脂肪肝炎になりにくくしたり、肝がんに進むのを妨害することで効果を発揮していたと考えられます。
そして肝がんの起こりにくさは、最終的な死亡率の低下に直結するでしょう。
日本で行われた別の研究(こちらは日本人が対象)でも、1日5杯のコーヒー摂取が肝がんによる死亡リスクを4分の1にするとの結果が出されています。
ただし、5杯より多く飲めば飲むほど死亡リスクが減るかどうかは現状では分からないとのこと。カフェインの取り過ぎによる影響も考えなくてはならないでしょう。
またこちらの研究では、緑茶では効果がなくコーヒーだけで効果がみとめられることが述べられています。
死亡リスクを下げている原因はカフェインではなく、コーヒーだけに含まれているフェノールや抗酸化物質であるようです。