残響がスピリチュアルな雰囲気を高めた?
その一方で、ストーンヘンジの巨石配置が、サークル外部の音の質を高めたり、内部の音を外に伝えたりする効果はありませんでした。
反対に、サークルは外側から反射してくる音をブロックして、内側だけの残響効果を高めていたのです。
そのため、ストーンヘンジが、遺跡周囲の田園地帯などに音を拡散するスピーカーのような働きはしなかったと思われます。
残響効果は、儀式などの神秘的な雰囲気を高めるのには最適です。大聖堂の残響時間が極端に長いのもそのためでしょう。
それを知ってか知らずか、当時の人々は、巧みな音響空間を持つように巨石を配置していたのです。
もしこれが意図的なものなら、ストーンヘンジの作り手たちは、現代人も驚きの知恵を持っていたと思われます。