月にいるノミまで拡大できる宇宙シミュレーション
すべての銀河の形成には暗黒物質の存在が不可欠だと考えられており、銀河の中には観測できる物質の10倍から100倍の暗黒物質が含まれていると推定されています。
冷たいダークマターモデルでは、暗黒物質はあまり動き回らず集まって塊を作っていると考えられています。これはハローと呼ばれます。
ハローとは物質がまばらに分布した雲のようなものを指します。
例えば銀河は星の集まる銀河腕の領域を超えて、星間物質(ガス)が広く分布した巨大なハローに包まれています。
ハローはサイズがさまざまであり、銀河や銀河団を包むほど巨大な場合もありますが、惑星を包むような小型のハローも予想されています。
今回のシミュレーションでは30桁という質量スケールで宇宙を再現し、さらにその宇宙で月の表面にいるノミまでズームアップして確認できるという、飛んでもない精度の分解能が実現されました。
これによって暗黒物質が見えた場合、どのようなハローを形成し、どのような内部構造を生み出すか詳細に観察することができたのです。