時間感覚の中枢が鈍ると時間の歪みが大きくなる
研究者は最初の実験(視覚と聴覚の刺激)が終わった後に、追加で被験者に対して再び灰色の円の画像をみせました。
この灰色の円はどの被験者に対しても、同じ0.5秒間だけ表示されます。
しかし被験者によって、答えはまちまちでした。
全体としては、最初の実験で短時間(0.25秒間)しか灰色の円を見ていない被験者はこの0.5秒間の円の出現時間をより長く過大評価し、長時間(0.75秒間)見せられた被験者は逆に短く過小評価する傾向がありました。
これは、テンポの速い音楽を聴いていると、周りの景色がスローにみえ、テンポの遅い音楽を聴いていると周りが早くみえるという現象が、視覚が先行する形で起きていたことを意味します。
ただ興味深いことに、縁上回の働きが活発であった人ほど、答えに誤差が少なく(より0.5秒に近い答えを出した)、不活発であった人ほど大きくはずれた答えを出しました。
この結果は縁上回の活性度と正確な時間感覚がリンクしていることを意味します。