揺らぐブラックホールの影
ブラックホールの直径は最新の観測データとの違いはありませんでした。しかし、データからモデリングされたブラックホールは暗い影になっている場所の位置が、時間によって変化していることがわかったのです。
ブラックホールは、それ自体の姿を見ることはできません。観測で映っているのはブラックホールの周囲に吸い寄せられた塵やガスが作る降着円盤です。
この円盤の動的な変化を調べたところ、円盤はぐらつくことがあるとわかったのです。これは科学者にとっても大きなニュースでした。
ブラックホールはその存在が確認されて、観測がされるようになってからまだ日の浅い天体です。
この2009年から2013年の観測は、最新のものに比べればデータ量としては劣るものですが、長期観測によって、これまでになかったブラックホールの時間的な変化を明らかにする貴重なものだったのです。