ティラピアを調理する古代エジプト人(イメージ)
ティラピアを調理する古代エジプト人(イメージ) / Credit: ancient-origins
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ミイラの「最後の晩餐」から古代エジプトの料理レシピを完全再現!料理名は”ティラピアのシチュー”

2020.10.01 Thursday

過去に、壁画から古代エジプトのパンを再現するという実験がありましたが、他にも一風変わった経緯で復活したレシピがあります。

その料理は「ティラピアのシチュー(英: Tilapia Stew)」といい、なんと紀元前3500年頃の男性のミイラから再現されました。

このミイラは一般的なものと違って、内臓や消化器官が無傷のまま残されていたのです。(通常、内臓はミイラ化に当たって取り除かれ、「カノプス壺」というヒト形の臓器収蔵器に保存される)

ここから男性が最後に食べた料理が判明し、レシピの再現に成功したのです。

一体、どんな料理なのでしょうか。

ancient-origins https://www.ancient-origins.net/history-ancient-traditions/tilapia-stew-0014329 , passtheflamingo https://passtheflamingo.com/2018/03/13/tilapia-stew-with-barley-egyptian-ca-3500-bce/

ティラピアは世界で初めて”養殖された魚”だった?

「ティラピアのシチュー」の主な材料は、川魚のティラピアネギ、そしてオオムギの3つです。

ティラピアは臭みがなく、美味として知られ、現在でも世界各地で食用にされています。古代エジプト人もティラピアを重宝しており、食用や文化、宗教の面で大きな存在となっていました。

これまでにティラピアを描いた壁画や小皿、ティラピアをかたどった小瓶や化粧用パレットが見つかっています。

ナイルティラピア
ナイルティラピア / Credit: ja.wikipedia
ティラピアをかたどった小瓶、香水を入れていたとされる
ティラピアをかたどった小瓶、香水を入れていたとされる / Credit: passtheflamingo

他にも、ティラピアは「再生」や「復活」のシンボルとして、死者が着る衣にその模様が縫い付けられました。

この思想は、ティラピアの稚魚が危険に見舞われたときに母親の口の中に逃げ込み、安全になると再び口の中から出てくる習性から誕生したと言われます。

ティラピアの不思議な行動に、当時のエジプト人は生命の誕生や豊穣さを見てとったのでしょう。

「ネブアメンの墓」から見つかったティラピア養殖の画
「ネブアメンの墓」から見つかったティラピア養殖の画 / Credit: en.wikipedia

さらに、ティラピアはエジプト人の重要な食材であり、閉鎖された池を設けてティラピアを養殖していたことが分かっています。

ティラピアは世界で初めて養殖された魚でもあるのです。

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