”摂氏520度”の火砕流が町を襲った
男性の遺体は、1960年代に古代ローマの都市・ヘルクラネウムの建物内で発見されたものです。
年齢は25歳前後で、死亡時は木製のベッドにうつ伏せの状態で火山灰に埋もれていました。
大噴火を起こしたヴェスヴィオ火山の火砕流は、隣接する都市・ポンペイとともにヘルクラネウムを飲み込み、多くの人が命を落としています。
火砕流の温度は摂氏500度に達していたと推定され、都市の住民を数分の1秒で即死させるのに十分な熱さでした。
また、男性を襲った火砕流は、発見された脳の状態と周囲の火山灰から、摂氏520度に達していたと見られます。
これは極端な輻射熱が脳の脂肪を一瞬で気化させるのに十分な温度です。
その後、火山灰が急速に冷却したことで、脳組織がガラス化され、今日まで残ったと言われます。