宇宙背景放射に残る前の宇宙の痕跡
2018年発表された論文では、CMBからホーキングポイントを見つけ出す研究が報告されています。
そこではCMBをシミュレーションすることで、ホーキングポイントがどのように見えるかを調査し、一致する痕跡を実際のCMBのデータから検索しました。
すると、一致するホーキングポイントの痕跡が20以上発見されたのです。
ただ、これが前の宇宙の痕跡であるかどうかについては、多くの科学者が懐疑的です。もしホーキングポイントが存在するとしたら、それは数万単位で存在しなければおかしいと予想されていて、この研究結果に示される20程度という数は少なすぎるのです。
また、CMBは全宇宙に広がる情報のため、ランダムに似たような痕跡が生成される可能性も否定できません。
しかし、宇宙が破滅と再生を繰り返し延々と続いているという可能性が物理学的に示されているというのは、なんとも刺激的な話ですね。