魚の生臭さが気にならない人には遺伝的な違いがあった
魚の生臭さは多くの人に「吐き気を催すような不快感」を与えます。これは魚に含まれる物質トリメチルアミン(英: trimethylamine、以下TMA)が原因であり、尿や血液、口臭などにも存在します。
そしてTAAR5(英: Trace amine-associated receptor 5)という受容体はTMAを「魚が腐ったような臭い」つまり「危険なにおい」として脳に伝えるため、実際に体にとって危険なものを食べないよう助けてくれるのです。
しかし、研究によって約1万1000人がDNAサンプルの提供と嗅覚テストを行った結果、一部の人はTMAを不快なものとは感じませんでした。
彼らは、「多くの人が吐き気を催すような魚臭さ」を「何のにおいもしない」「ジャガイモ、キャラメル、ケチャップ、バラみたい」「比較的心地よい」などと表現したのです。
この違いの原因はTAAR5をつくるTAAR5遺伝子にありました。
DNA検査によって、魚臭さを不快と感じなかった人々のTAAR5遺伝子が変異していると判明したのです。