人は腐ったような「魚臭さ」を不快に感じる
人は腐ったような「魚臭さ」を不快に感じる / Credit:depositphotos
biology

魚の生臭さが気にならない人は、”食生活によって遺伝子が突然変異している”かも (2/3)

2020.10.12 Monday

前ページ嗅覚における受容体の働きとは?

<

1

2

3

>

魚の生臭さが気にならない人には遺伝的な違いがあった

魚臭さを不快に感じる人もいればそうでない人もいる
魚臭さを不快に感じる人もいればそうでない人もいる / Credit:depositphotos

魚の生臭さは多くの人に「吐き気を催すような不快感」を与えます。これは魚に含まれる物質トリメチルアミン(英: trimethylamine、以下TMA)が原因であり、尿や血液、口臭などにも存在します。

そしてTAAR5(英: Trace amine-associated receptor 5)という受容体はTMAを「魚が腐ったような臭い」つまり「危険なにおい」として脳に伝えるため、実際に体にとって危険なものを食べないよう助けてくれるのです。

しかし、研究によって約1万1000人がDNAサンプルの提供と嗅覚テストを行った結果、一部の人はTMAを不快なものとは感じませんでした。

彼らは、「多くの人が吐き気を催すような魚臭さ」を「何のにおいもしない」「ジャガイモ、キャラメル、ケチャップ、バラみたい」「比較的心地よい」などと表現したのです。

この違いの原因はTAAR5をつくるTAAR5遺伝子にありました。

DNA検査によって、魚臭さを不快と感じなかった人々のTAAR5遺伝子が変異していると判明したのです。

次ページ変異遺伝子は嗅覚の多様性に繋がるかも

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

生物学のニュースbiology news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!