短時間測定の世界記録 ゼプト秒とはどのくらい?
1999年、エジプトの化学者アハメッド・ズウェイル氏は分子の形状が変化する時間測定に成功しノーベル賞を受賞しました。
このとき彼が測定した時間はフェムト秒(1000兆分の1)単位の時間です。化学結合の形成と破壊は、この時間単位の中で発生しています。
しかし、現代の研究はそれを大きく進展させさらに短い時間の測定に成功しました。
それはゼプト秒という単位の時間です。ゼプトは日本語で「清浄(せいじょう)」と呼ばれる単位で10垓分の1を意味しています。垓(がい)ってどのくらいだよ、という人がほとんどでしょうが、垓は「10億分の1」に「1兆分の1」を掛けた値で、「0.」の後に「0」が20個並ぶ小数です。
以前から研究者はゼプト秒の領域で時間測定を行っていて、2016年科学誌『Nature Physics』に報告された研究では、レーザーを使って850ゼプト秒の測定に成功しています。
今回の研究は、光子が水素分子を通り抜ける時間の測定に成功し、その時間は247ゼプト秒だというのです。