種を再分類する意義
ジェンツーペンギンはほぼ同じ外見をしていて、生息地もそれほど離れているわけではありません。
しかし、新しい研究ではこのペンギンたちが互いにほとんど関係のない4つの個体群に見えるのだといいます。
研究チームの1人、バース大学の集団ゲノム学の研究者ジェーン・ヤンガー博士は次のように説明しています。
「ジェンツーペンギンは自分たちの生まれたコロニーに固執する傾向があり、それが何十万年もかけて地理的に隔離された状態になり、お互いに交配しないようになってしまったのでしょう。これが種の本質的な概念なのです」
もちろん今回の発見は、当の動物たちにとっては何も変わらない問題ですが、人類にとっては各種の習性や保全状況の見直しを迫られることになります。
1つの種と見なしていた動物が、異なる種に分類されるとその個体数の変化で、国際自然保護連合の『IUCN絶滅危惧種レッドリスト』が定義している種の脅威状態も変わってくるからです。
現在、ジェンツーペンギンの数はかなり安定しています。しかし、温暖化が進むにつれて北の個体群は南に移動するという証拠もあるため、今後の彼らの変化は注意深く監視する必要があるでしょう、とヤンガー博士は述べています。
この論文が提案した新しいペンギンの分類については、科学者たちの国際委員会が話し合いを行っているとのこと。
ペンギンの種は現在全部で18種とされていますが、近いうちにこの数は21種に書き換えられることになるかもしれません。