種とはなんなのか?
生物の種という言葉はよく聞きますが、そもそも生物分類学における種の概念とは何なのでしょう?
種の定義には、1942年にマイヤーという研究者によって提案された「同地域に分布するとき、自然条件下で交配し子孫を残す生物グループ」という考え方が適用されています。
これはよく似た動物でも、近くに住んでいるのに交配しようとしないなら別々の種として考えましょうということです。
なので別種だからといって交配できないというわけではありません。人間が強制交雑によって植物の品種改良を行ったり、犬類に雑種が誕生したりするように交配自体は可能な場合があります。
種の分類については、よく似た動物がバラバラの生息地を持っていた場合、それが同種なのか別種なのか判断しづらいという問題を含んでいます。
そのため、私たちは多くの進化の枝を見落としている可能性があります。2016年に発表された研究では、世界の鳥類種について、これまで我々が考えていた数の2倍近い1万8000種いるという推定も報告されています。