実験の手順、「トリーアの社会ストレステスト」とは
心的ストレスは、これまでの研究で、心疾患のような身体の病気に繋がることがわかっています。
研究チームは今回、心的ストレスの中でも「敵意(hostility)」が与える悪影響について調査しました(敵意は病気の発症リスクに深くかかわっているため)。
敵意は「感情・行動・認知」という3つに分類され、皮肉は「認知的敵意」にあたります。
調査では、196名の被験者(18〜55歳、男性58%、女性42%)を対象に、約7週間の間隔をあけて2度のテストを実施。「トリーアの社会ストレステスト(TSST)」という、ストレス状態にある人の反応を見る心理実験が行われました。
一度のテストは15〜20分で、被験者は敵意の程度を測るための複数のテストを受けます。
その一つのスピーチテストでは、被験者が万引きや交通違反を犯したと仮定して、5分間の自己弁護を課します。
被験者にはあらかじめ、「その様子はビデオで撮影され、あとで評価される」と伝えてあります。被験者はテスト中、2分ごとに心拍数と血圧を記録されました。
他にも、単純作業の反復(計算など)で心的負荷を与え、テストごとのデータ変化を調べています。