皮肉屋ほど心疾患にかかりやすい?
皮肉屋ほど心疾患にかかりやすい? / Credit: jp.depositphotos
psychology

キレやすい人より「皮肉屋」の方がストレス過多で心臓病のリスクが高かった

2020.11.17 Tuesday

ベイラー大学(アメリカ)の最新研究により、短気な人よりも皮肉屋な人の方が、ストレスフルな状況下で心疾患を発症しやすいことが示されました。

ほとんどの人では、ストレス刺激に対し「闘争(fight)」もしくは「逃走(flight)」反応を示しますが、もう一度同じ刺激を与えられると反応が鈍くなります。

しかし、懐疑的で皮肉屋な人は、同じ刺激に対し、常に同等のストレスレベルを受けてしまうようです。

研究は、9月13日付けで『Psychophysiology』に掲載されました。

>参照元はこちら(英文)

Psychophysiology https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/psyp.13681 , dailymail https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-8954093/Cynical-people-likely-heart-disease-angry-individuals.html

実験の手順、「トリーアの社会ストレステスト」とは

心的ストレスは、これまでの研究で、心疾患のような身体の病気に繋がることがわかっています。

研究チームは今回、心的ストレスの中でも「敵意(hostility)」が与える悪影響について調査しました(敵意は病気の発症リスクに深くかかわっているため)。

敵意は「感情・行動・認知」という3つに分類され、皮肉は「認知的敵意にあたります。

調査では、196名の被験者(18〜55歳、男性58%、女性42%)を対象に、約7週間の間隔をあけて2度のテストを実施。「トリーアの社会ストレステスト(TSST)」という、ストレス状態にある人の反応を見る心理実験が行われました。

「トリーアの社会ストレステスト」の様子
「トリーアの社会ストレステスト」の様子 / Credit: en.wikipedia

一度のテストは15〜20分で、被験者は敵意の程度を測るための複数のテストを受けます。

その一つのスピーチテストでは、被験者が万引きや交通違反を犯したと仮定して、5分間の自己弁護を課します。

被験者にはあらかじめ、「その様子はビデオで撮影され、あとで評価される」と伝えてあります。被験者はテスト中、2分ごとに心拍数と血圧を記録されました。

他にも、単純作業の反復(計算など)で心的負荷を与え、テストごとのデータ変化を調べています。

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