抗菌性・戦闘力が格段にアップ
チームは、本種を飼育して、ボディアーマーがいつ発生し、どのような機能を持つかを調べました。
その結果、ボディアーマーは幼虫期には存在しないが、成熟するにつれて急速に発達し、完成したコーティングは外骨格を著しく硬化させることが判明しています。
これを実証するため、チームはボディアーマー有りと無しのA. echinatiorを用意し、同じハキリアリのAtta cephalote種と実験的に戦闘させました。
これはハキリアリの縄張り争いを再現したもので、両者の戦いは自然界でよく観察されます。
サイズはAtta cephalote種の方が大きく、圧倒的に有利です。
結果、ボディアーマー無しの個体は簡単に負けてしまいましたが、ボディアーマー有りだと生存率がはるかに高くなっていました。
Atta cephalote種の大きなアゴでもアーマーは噛みきれないのです。
さらに、昆虫によく感染する「メタリジウム菌」を用いた抗菌性テストでは、ボディアーマーのおかげで感染率が最小限に抑えられていました。
天然のボディアーマーがアリの戦闘力および抗菌性を格段にアップさせていたのです。
研究チームは「ボディアーマーの仕組みをより詳しく理解することで、物の抗菌コーティング技術に応用できるかもしれない」と話しています。