優劣ではなく、スタイルの違い
歴史的に見ると、ネアンデルタール人は絶滅し、ホモ・サピエンスは今日まで繁栄してきましたが、この手の機能が両者の明暗を分けたとは言えません。
研究主任のアメリン・バルドー氏は「この結果は、現代人がより複雑な道具の製作・使用に適していたというより、単に2つの異なるスタイルがあったことを証明している」と指摘します。
ネアンデルタール人は握力が強く、手斧や槍のあつかいに長け、現代人は石器を削ったり、縄を編んだりする細かな作業に長けていたのでしょう。
どちらが良いというものでもありません。
バルドー氏は「手の機能の比較は、両者がどのような道具の使用に優れていたかについて新たな洞察を与えてくれる」と話します。
研究チームは今後、手の機能と古代のさまざまな道具を比べることで、ネアンデルタール人や初期人類の生活様式に深く迫っていく予定です。