火星の外観。
火星の外観。 / Credit:NASA/JPL/Malin Space Science Systems
space

火星の塩水から酸素と水素を生み出す新技術が登場!

2020.12.02 Wednesday

火星には水があります。これは火星の調査や、将来的にはテラフォーミングを目指す人類にとって明るいニュースです。

しかし、残念なことに火星の水のほとんどは塩水です。塩水は飲水にできないほか、電気分解の材料にするためにも精製が必要となり、利用するには非常にコストが掛かります。

しかし、ワシントン大学の技術者チームは11月30日に科学雑誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』で発表した新しい研究において、塩水をそのまま電気分解して酸素と水素を生成するシステムを開発したと報告しています。

これは地球の海水にも応用できる技術だといいます。

>参照元はこちら(英文)

phys https://phys.org/news/2020-11-tech-oxygen-fuel-mars-salty.html

火星に多くの塩水がある

地表を掘削して調査する火星探査機。
地表を掘削して調査する火星探査機。 / Credit:NASA / JPL-Caltech

NASAの「火星探査機フェニックス」は2008年夏に、火星地表を掘削し、地下に水分が隠れていることを発見しています。

火星の地下では過塩素酸マグネシウムなどの存在によって、水が液体の状態を保った貯水池があるようなのです。

火星は非常に寒い環境で、発見される水は基本的に凍っています。

液体の状態を保った水は土壌の塩分を含むことで、凝固点が下がっているものだけで、不純物の多い状態です。

残念ながら、こうした水は飲水に利用することができません。また電気分解の原料にも使うことができないのです。

次ページ電気分解で火星に酸素を作る

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