MK-4482は経口摂取できるコロナの特効薬となるかもしれない
MK-4482は経口摂取できるコロナの特効薬となるかもしれない / Credit:canva
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「経口摂取」する新型コロナウイルスの特効薬が開発中!

2020.12.05 Saturday

ワクチンよりも先に治療薬ができるかもしれません。

12月3日に『Nature microbiology』に掲載された論文によれば、新たに開発された抗ウイルス薬(MK-4482)は動物実験において、新型コロナウイルスの感染を24時間で完全に封じ込めることに成功したとのこと。

人間でも同じように作用する場合、パンデミックを迅速に制圧することが可能になるかもしれません。

MK-4482は現在、薬の有効性や量、投薬期間を決める第2相試験が実施中であり、来年には最終確認である第3相試験がはじまる予定。

そのため人によってはワクチン(予防薬)より先に、この治療薬を手にするかもしれません。

MK-4482はどんな仕組みで新型コロナウイルスを封じ込めているのでしょうか?

>参照元はこちら(英文)

ジョージア州立大学 https://news.gsu.edu/2020/12/03/oral-drug-blocks-sars-cov-2-transmission-georgia-state-biomedical-sciences-researchers-find/

治療薬の仕組み

MK-4482はヌクレオシドの類似体でウイルスの遺伝子にエラーを起こさせる
MK-4482はヌクレオシドの類似体でウイルスの遺伝子にエラーを起こさせる / Credit:wikipedia

MK-4482は当初、インフルエンザウイルスの治療薬として開発されました。

その役割は遺伝子を構成する塩基の類似体(偽物)です。

ウイルスの遺伝子が複製されるとき、塩基配列に割り込んでウイルスの遺伝情報をめちゃくちゃにする働きがあります。

めちゃくちゃになった遺伝子では、どんなウイルスでも感染・増殖することはできません。

そこで研究者たちは、

「このMK-4482の攻撃能力が、インフルエンザウイルスに対してだけでなく、新型コロナウイルスに対しても効くのでは?」

と考えました。

次ページ24時間でウイルスを制圧

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