「カタコト文字」が「スラスラ文字」に進化するまで
複雑な会話や文章を正確に記録できる文字は、約5000年前のメソポタミアに登場します。
それが、シュメール人の使った「くさび形文字」です。
粘土板に記されたくさび形文字は、会計システムの記録として始まり、労働者へのビールの配給などが記録されました。
世界最古の物語である『ギルガメッシュ叙事詩』もこの文字で記されています。
こうした社会の発展とともに、文字もどんどん進化し、複雑な文章を記録できる「スラスラ文字」になっていきました。
その最たるものが「アルファベット」です。
アルファベットは、話し言葉を記録するための絵文字から進化し、BC1700年頃の地中海東部に栄えたフェニキア人により、ぐっと現在の形に近づきました。
これがギリシャ人に取り入れられて改良され、さらにその後、ローマ人が再び手を加え、今のローマ字が誕生しました。
ローマ式アルファベットは今や50億人に使われており、世界に最も広く浸透している文字です。
しかし不思議なことに、現代はSNSの影響もあってか、先史時代を越える絵文字ブームが到来していますし、ユニークなネット言葉もたくさん生まれています。
現代人はスラスラ文字と同時に、古代のカタコト文字も使っているのです。
歴史の流れからすると、今は一風変わった言語時代なのかもしれません。