孤独な脳は回想や創造性を司る領域が発達している
孤独な脳は回想や創造性を司る領域が発達している / Credit:Depositphotos
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孤独は脳に「創造力を向上させる影響」があると判明!

2020.12.20 Sunday

孤独は人々を悩ませるネガティブなものとして扱われてきましたが、最近の研究により「孤独な脳」では科学者でも想定外の領域が発達していると判明しました。

カナダにあるマギル大学医学部医用生体工学科に所属する神経学者Danilo Bzdok氏ら研究チームが、12月15日付の科学誌『nature communications』にて、孤独な人々の脳は、空想、回想、創造などの作業を行う脳領域の接続性が向上していると発表。

長期的に社会的経験を奪われた脳は、脳内活動増加により、内部ネットワークを向上させていたのです。

>参照元はこちら(英文)

newatlas https://newatlas.com/science/loneliness-brain-imaging-study-neural-signature-default-mode/

4万人を対象とした「孤独な脳」の研究

孤独が人の脳に与える影響は解明されていないことが多い
孤独が人の脳に与える影響は解明されていないことが多い / Credit:Depositphotos

現在、世界中で新型コロナウイルスが蔓延しており、一部の人々は孤独に追いやられています。

しかし、孤独が人間に与える生理的影響についての研究は少ないようです。

Bzdok氏も「我々は孤独が与えるへの影響を理解し始めたばかり」だと述べており、孤独な脳への理解を深めるために新しい研究に取り組みました。

彼らは高齢者を含む4万人の被験者の脳画像を調査することで、一般的な人と孤独な人の脳の違いに目を向けました。

特に研究チームが注目していたのは、脳の灰白質(かいはくしつ)と白質(はくしつ)の組成です。

(赤線の内側)灰白質 , (黄線の内側)白質
(赤線の内側)灰白質 , (黄線の内側)白質 / Credit:Grook Da Oger / Wikipedia

灰白質とは脳画像における灰色の部分であり、神経細胞の細胞体(核)が存在しています。

対して白質は、脳画像における白色の部分であり、神経細胞の連絡路として機能します。

また研究チームは脳の様々な領域がどのように通信するか理解しようとしました。

当初、チームは孤独によって脳領域の接続性が低下するだろうと予想していました。

しかし研究の結果は、チームの予想を大きく覆すものだったのです。

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