4万人を対象とした「孤独な脳」の研究
現在、世界中で新型コロナウイルスが蔓延しており、一部の人々は孤独に追いやられています。
しかし、孤独が人間に与える生理的影響についての研究は少ないようです。
Bzdok氏も「我々は孤独が与える脳への影響を理解し始めたばかり」だと述べており、孤独な脳への理解を深めるために新しい研究に取り組みました。
彼らは高齢者を含む4万人の被験者の脳画像を調査することで、一般的な人と孤独な人の脳の違いに目を向けました。
特に研究チームが注目していたのは、脳の灰白質(かいはくしつ)と白質(はくしつ)の組成です。
灰白質とは脳画像における灰色の部分であり、神経細胞の細胞体(核)が存在しています。
対して白質は、脳画像における白色の部分であり、神経細胞の連絡路として機能します。
また研究チームは脳の様々な領域がどのように通信するか理解しようとしました。
当初、チームは孤独によって脳領域の接続性が低下するだろうと予想していました。
しかし研究の結果は、チームの予想を大きく覆すものだったのです。