指数関数的増加とは?
指数関数的増加とは? / credit: 厚生労働省(ナゾロジー文字記入)
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コロナ禍で耳にする「指数関数的増加」とは? 増え方の凄まじさを徹底解説!

2020.12.31 Thursday

新型コロナウイルス感染拡大により話題となったワード「指数関数的増加」。数学に馴染みがなくても「ものすごく増えそう」というイメージを抱いた方も多いと思います。

今回は、この指数関数的増加の凄まじさを解説します。

まず、あの豊臣秀吉に仕えたといわれる「曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)の逸話」を紹介し、その後、実際にグラフや数式を見ながら、指数関数的増加を紐解いていきましょう。

果たして、「指数関数的増加」はどれほどまでに凄まじいのでしょうか?

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曽呂利新左衛門の逸話

曽呂利新左衛門の肖像
曽呂利新左衛門の肖像 / credit: 歌川国貞 – 歴史人物画像データベース wikipedia,CC 表示-継承 4.0

秀吉に仕えていたといわれる曽呂利新左衛門。非常に頭が良いと評判の人物でした。

この曽呂利新左衛門に関する有名な逸話は「指数関数的増加」のとても良い例になっています。

では、その逸話を見ていきましょう。

ある日、秀吉が「好きな褒美をやろう」と新左衛門に言いました。そこで、新左衛門はこんな褒美を望みます。

「米粒を頂きたいです。1日目は1粒、2日目は倍の2粒、3日目はその倍の4粒といった具合で、次々に倍をしていって、100日目まで米粒を頂きたいです」

秀吉は「なんだ、そんな小さな望みで良いのか」と思って、新左衛門の要求を快諾しました。

こうして、秀吉は新左衛門に毎日米粒を届けることになりました。

1日目は1粒、2日目は2粒、3日目は4粒。15日目に、やっと16384粒となり、茶わん4杯分くらいの米粒になりました

秀吉の家来たちは「新左衛門は、もっとマシな褒美をもらえばよかったのに」と言いながら笑いました。

しかし、20日目には524288粒になり、約10kg分の米粒になりました。23日目には、なんと4194304粒になり、米俵2俵ほどの量に。

驚いた秀吉は、100日目に何粒になるか家来たちに計算させました。すると…

633825300114114700748351602688粒!

兆や京は軽々越えて、「63穣」という、非常に大きな数です。

秀吉は、新左衛門の賢さにしてやられたのでした。

…という逸話です。

新左衛門の要求のポイントは「2を掛け続けること」です。この「掛け算で増えていく」というのが、「指数関数的増加」であり、恐ろしい側面を持っています。

比較のために、

A:1から始めて2を掛けていった場合
B:0から始めて2を足していった場合

として、30日目までの表を作ってみると…

画像
credit: みのきち

となります。

最初の方はAとBに、大きな差はありません。しかし先に進むと、その差は歴然。Bは一定の速度で増えていくのに対して、Aの増加の速度はどんどん加速していくことがわかります。

30日目まででも536870912粒。これは米俵250俵ほどになります。

秀吉は、最初の「1粒,2粒,4粒」の小ささに、まんまと騙されてしまったようですね…。

次ページグラフで見る!指数関数的増加の凄まじさ

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