感情労働の2つの対処法、「表層演技」と「深層演技」とは?
感情労働は、人に会う職場であればどこでも必要とされます。
とくに接客業や医療従事者などは、その割合が強いでしょう。
怒りをこらえて作り笑いをするのはかなりのストレスですが、人はこうした感情労働を2つの方法で乗り切ろうとします。
それが「表層演技」と「深層演技」です。
表層演技とは、目に見える行動としての演技のことで、作り笑いや会釈、腰を低くするなどの身振りを指します。
表面的な感情のコントロールであるため、その下に隠れた当人の怒りや不安などは何も変わっていません。
一方の深層演技は、役者のように内側の心からそう思い込むようになり切る演技を指します。
こちらは、「道徳的に正しいとされる感情」に自らを合わせていく方法です。
例えば、知人や親戚が亡くなった際、周りがとても悲しんでいるのを見て「自分ももっと悲しまなければ」と考え、故人との思い出を回想し、悲しみを抱こうとする例です。
両者は外からの演技か、内からの演技かで異なりますが、どちらが感情労働でのストレス軽減に効果的であるかを調べたのが今回の研究になります。