安楽死率には25倍もの地域差が生じている
調査の結果、2013年から2017年の間には約25,929件の安楽死があったとのこと。
女性より男性の方がわずかに安楽死を選ぶ確率が高く、安楽死を選ぶ平均年齢は2013年で71歳、2017年で73歳とわずかに増加しました。
さらに安楽死には非常に大きな地域差があるとも分かっており、安楽死数が最も多い地域は、最も少ない地域の約5倍とのこと。
しかし、この地域差は徐々に埋まってきており、これは下位地域の安楽死が急増してきたことが原因です。
もちろん、それでも依然として地域差は大きく、安楽死率にすると、上位3市町村は、下位3市町村の25倍にもなります。
そしてそれらの地域差には年齢や価値観などの様々な要素が関係していると判明。
例えば、45~64歳の人が多い地域では、人々が安楽死を選択する確率が高く、教会に通う人の割合が高い地域では、逆に安楽死率は低下します。
また、新しく、より優れたものを追求する政治思想(進歩主義・革新主義)は、安楽死率の上昇と関連していました。
しかし、これらの要素を考慮・反映させても安楽死率には依然として7倍もの地域差があり、それを説明することはできませんでした。
そのため研究チームは、「この説明できない部分は、安楽死の不足または過剰実施、誤実施に関連している可能性がある」と述べています。
地域によっては、安楽死に対する偏った考えや圧力が生じているかもしれないというのです。
今回の結果は、安楽死を検討している国にとって重要な情報であり、施行している国の課題点を明確にするものとなりました。