卵の黄身を脳のモデルとして代用するはじめての試みが行われた
卵の黄身を脳のモデルとして代用するはじめての試みが行われた / Credit:Physics of Fluids
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脳に最もダメージを与える動きは「回転運動の急減速」だった 卵の黄身を歪ませる研究で判明 (2/3)

2021.01.20 Wednesday

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卵の黄身を回転させたら「予想外の結果」が得られた

カプセルに対して3種類の運動を加えた結果、回転運動の減速中に最も大きな歪みが生じた
カプセルに対して3種類の運動を加えた結果、回転運動の減速中に最も大きな歪みが生じた / Credit:Physics of Fluids

研究者たちは組み立てられた卵入りカプセルに対して、3種類の物理的な働きかけを行いました。

1つ目は直線的な衝撃、2つ目は回転運動(加速)、3つ目は回転運動(減速)です

直線的な衝撃は黄身の形状にほとんど影響を与えない
直線的な衝撃は黄身の形状にほとんど影響を与えない / Credit:Physics of Fluids

上の図では、卵の上から直線的な衝撃を与えたときの様子が示されています。

この実験では、卵入りのカプセルに対して1.77kgのハンマーを1m上から落下させることで、衝撃を与えました。

衝突により、カプセルには瞬間的に9.8Gの加速度が発生しています。

しかし意外なことに、卵の黄身にはほとんど変形がみられませんでした。

加速する回転運動は黄身の形を楕円形に歪ませた
加速する回転運動は黄身の形を楕円形に歪ませた / Credit:Physics of Fluids

次に研究者たちは上の図のように、卵入りのカプセルに対して回転運動を与えました。

回転の速度は最大で1秒間に約64回転にも及びました。

結果、卵の黄身もカプセルの回転に影響されて回り始め、楕円形の形に変形しました。

減速する回転運動では黄身の形が押し潰され大きく歪んだ
減速する回転運動では黄身の形が押し潰され大きく歪んだ / Credit:Physics of Fluids

最後に、上の図のように、研究者たちは回転させたカプセルを減速させました

減速によってカプセルは1秒以内に動きを停止します。

すると興味深い現象がみられました。

減速するカプセルの内部で卵の黄身が徐々に変形し、土星型を経て、押し潰されたような形状に変化したのです。

これは、外部の液体の流れがカプセルにつられて減速した一方で、黄身を含む中央部の遠心力がまだ高いことが原因になります。

内部の遠心力が優勢である場合、外部の反発を打ち破って、内部から外部へ向けた膨張が起こります。

もしこれがであった場合、脳は自身の遠心力によって内側から崩壊することになるでしょう。

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